「発酵食品」と聞くと、難しそう? いいえ、実は初心者でも簡単に作れて、料理をおいしくしてくれて、健康にも良いんです! おいしいって、幸せですよね。
近年、腸活や健康志向の高まりで注目される発酵食品。忙しい主婦や料理初心者でも、週末にサッと作れるレシピをご紹介します。
この記事では、発酵食品の基本知識、健康効果、そして塩漬け、塩麹、発酵ショウガ、柿酢の超簡単な作り方を解説します。作り方にとびたい方はこちらをクリック。
あなたも今日から発酵食品生活を始めて、おいしさと健康を手に入れましょう!
発酵食品とは? 健康と料理に役立つ基本知識
多種多様な発酵食品に共通するメリット、微生物の命をいただく
発酵食品とは、微生物(乳酸菌、酵母、カビなど)の働きにより、食材が分解・変容されて、独特の風味や栄養価が生まれる食品のことです。その発酵食品の共通メリットとして以下のようなものが挙げられます。
- 栄養価の向上: ビタミンやアミノ酸の増加。
- 消化吸収の促進: 微生物が食材を分解し、消化しやすくなる。
- 保存性の向上: 酸やアルコールにより腐敗を防ぐ。
- 風味の多様性: 独特の香りや味わいが料理に深みを加える。
代表的な発酵食品を種類分け
栄養価が上がって、消化しやすくなり、健康のためになって、おいしい、そんな発酵食品の代表的なものとして次のようなものが挙げられます。
1.カビ発酵食品
| 種類 | 麹を使った食品(味噌、醤油、みりん、塩麹) テンペ、ブルーチーズ、カマンベール、鰹節 |
| 特徴 | 麹カビ(Aspergillus oryzae)、青カビ(Penicillium roqueforti)、リゾプス(Rhizopus)など、地域ごとの安全なカビがタンパク質やでんぷんを分解。 濃厚な旨味や独特の香りを生む。例えば、味噌は麹カビ、さらには乳酸菌発酵も加わって甘みと旨味を、ブルーチーズは青カビでピリッとした風味をもつ。 日本食にかかせない麹の健康効果として、消化を助け、腸内環境を整え、免疫力をアップし、抗炎症効果や抗アレルギー効果などもある。 塩麹のレシピを後述していますので、是非つくってみて! |
2.酵母発酵食品
| 種類 | 日本酒、ワイン、ビール、マッコリ |
| 特徴 | 酵母(Saccharomyces cerevisiaeなど)が糖をアルコールと二酸化炭素に分解。独特の香りとアルコール度数をもたらす。 原料(ブドウ、麦、米など)で風味が異なり、例えば、日本酒は米由来の甘味と旨味が特徴。 |
3.酢酸菌発酵食品
| 種類 | 酢(米酢、柿酢、りんご酢、バルサミコ酢など) |
| 特徴 | 酢酸菌(Acetobacterなど)がアルコールを酢酸に変換し、強い酸味を生む。 調味料や飲料として使用し、消化促進や疲労回復に役立つ。 |
4.乳酸菌発酵食品
| 種類 | ヨーグルト、チーズ、キムチ 漬物(ぬか漬け、塩漬けなど)キムチ |
| 特徴 | 乳酸菌(Lactobacillusなど)が糖を乳酸に分解し、酸味のある風味を生む。ヨーグルトはクリーミーで酸味、キムチは辛味と酸味がある。 腸内環境を整えるプロバイオティクス効果が期待できる。 |
5. 納豆菌発酵食品
| 種類 | 納豆 |
| 特徴 | 納豆菌(Bacillus subtilis)がタンパク質を分解し、粘りや旨味、独特の香りを生成。短期間の発酵で完成。 |
6.複合発酵食品
| 種類 | コンブチャ(昆布茶ではなく、紅茶キノコと呼ばれていたもの) |
| 特徴 | 酵母(アルコール発酵)、酢酸菌(酢酸発酵)、乳酸菌(乳酸発酵)が共生し、微炭酸と複雑な酸味を生む。 コンブチャは甘み、酸味、微炭酸が特徴で、プロバイオティクス効果もある。 |
7.その他の発酵食品
| 種類 | 魚醤(ナンプラー、しょっつる)、イカの塩辛 |
| 特徴 | 地域特有の発酵法で、乳酸菌や酵母、酵素などが関与。魚介や塩を用い、強い旨味が特徴。ナンプラーは魚の濃厚な風味で料理を引き立てるなど。 |
初心者でも簡単にできる発酵食品の作り方を4つ
初心者でも失敗しない塩漬けの作り方
キャベツであれば、ザワークラウトと呼ばれるもので、ダイコンやカブ、ハクサイなどでも作り方は同じです。ふだん野菜が足りない人にぜひ作ってもらいたいのが、これ。ほかにも、大きなキャベツやダイコンを買ってきて、使い切れない人にもお薦め。これを週末に作っておけば、翌週の野菜不足を補えるから一押し。

材料と用意するもの
- 1リットルほど入り、蓋のあるビンか容器
- 野菜 800g
- 塩 20g
作り方
- ビンや容器をきれいに洗って乾燥した状態のものを用意(煮沸消毒の必要はありません)。
- キャベツなどを千切りにしてさらに細かくしてもいいし、そのままでもOK。ある程度の細かさになっていれば大丈夫。写真のようにいろいろな野菜をまぜてもいいですが、野菜は塩がもみこめるくらいの大きさでないと、途中で腐敗してしまう可能性がでてきます。
- 切った野菜をボールにいれて、野菜の重量の2%の塩をいれてよくもみます。
- くたくたになった野菜と、野菜からでた水分をビンにつめて蓋をして、常温で1日放置。
- 夏は半日くらいでぶくぶく発酵してきて、ふきこぼれてくるので、そうなったら冷蔵庫へ。
- 翌日以降で食べ始め、残りは冷蔵庫で保管し、2週間ほどで使い切ってください。
- 漬物として、そのままご飯のおともにできます。サラダとして、この塩漬け野菜に同量以上のきざんだ生野菜をからませてもいいです。油も何も足さなくてもおいしいですが、塩分が足りないと感じたら、以下でご紹介している塩麹を足してください。塩漬けをスープや炒め物に混ぜると、旨味がアップします。
失敗しないためのワンポイント
塩を野菜によくもみこむこと。塩は防腐効果があり、細菌類を死滅させ、増殖を抑える働きがあるからです。
初心者でも簡単にできる塩麹
レシピに塩とあったら、かわりに塩麹を使うと、料理が各段においしくなるから、これもつくってみて!

材料と用意するもの
- 乾燥麹 200g
- 塩 60g
- 500ccほどはいる蓋のできるビンか容器
作り方
- ビンや容器をきれいに洗って乾燥した状態のものを用意。(煮沸消毒の必要はありません)
- ビンに粒状の乾燥麹(固まった乾燥麹の場合はほぐしてから)半分くらいと塩を入れ、よくかきまぜる。残りの麹と塩をいれてさらにまぜる。
- 麹と塩が沈むくらいの水をたす。蓋をして1週間ほど常温放置。その間、1日1回かきまぜる。常温放置している間に、夏は白い藻のようなもの(後述)がはることがありますが、まぜてしまって大丈夫。
- 1週間たったら冷蔵保存で、1ヶ月は問題なく使えます。
- 料理で塩を使っていたところを塩麹で置き換えると、旨味がまします。たとえば塩小さじ半分の場合、塩麹10グラムといった感じで、あとは調整してください。
変色についての注意点
- 白いふわふわしたものがはったり、全体が茶色に変色することがありますが、これらは産膜酵母という人体に影響しない酵母菌によるものなので、問題なく食べられます。
- 黒、赤、緑、青などのカビが発生した場合、生臭い匂いもあるようで、その場合は捨ててください。こういったカビは私が作っている中では発生したことがありません。
あっけないほど簡単!発酵ショウガ
チューブのショウガを使わずに、気軽にショウガをいただくために作ってみて。余計な添加物をとらずにすみます。
日本産のショウガがまとめ売りさせているときに買ってきて作るので、だいたい200-300グラムくらいのショウガで、空のジャムビンに保存しています。

材料と用意するもの
- ショウガ
- つくりたい量がはいって、多少余裕のできる、蓋つきのビンか容器
作り方
- ビンや容器をきれいに洗って乾燥した状態のものを用意(煮沸消毒の必要はありません)。
- ショウガは洗って皮はむかずにおろします。小さくしてブレンダーなどにかけてもいいですが、水はいれないでください。
- おろしたショウガをビンにつめて蓋をして冷蔵庫に。すぐに使えますが、直後だと発酵していません。
- 1週間後くらいからが食べ頃と読んだりしましたが、ショウガとしての風味はほとんど変わらないので、味からの判断は難しいです。
- 冷蔵庫で1カ月くらいは問題なく持ち、多少色が変わることもありますが、へんなにおいがなければ問題ないでしょう。小分けして冷凍にすれば、さらに長持ちします。
まろやかな酸っぱさが魅力の柿酢
柿がたくさんあるときは、ぐずぐずになるまで熟成させて、ぜひ作ってみて!

材料と用意するもの
- ぐずぐずになった柿(1ℓ弱の瓶で柿の大きさによって5-10個)
- 1リットルほどはいる蓋つきのビンか容器
作り方
- 容器はきれいに洗ってあれば煮沸の必要なし。
- 柿をきれいに洗って、ヘタと痛んでいるところを落として容器に押し込んでいく。
- 上記写真の右側くらいまで入れたら、スプーンで押し込んで空気を抜き蓋をする。(容器いっぱいにいれると、ガスが発生したときに吹きこぼれてくるので多少余裕を残す。)
- 暖かい部屋であれば常温放置でもできますが、気温が低い場合はヨーグルトメーカーなどで温める。
- プシュプシュガスが上がってくるようになるので、一日に一回、きれいなスプーンでガス抜きをする。
- 3日くらいでお酒っぽく、5日くらいたつと甘酸っぱくなり、1週間ほどで出来上がりで、あとは冷蔵庫で保管しましょう。絞ってもいいですが、私は絞らずに使います。
さらなる発酵の世界へ
発酵食品の楽しみの一つは味の変遷です。塩漬けなどは特に、味の変化がわかりやすいのでお楽しみください。
私がいつもつくっている発酵食品として、納豆や豆乳ヨーグルト、サツマイモのきんとんなどもあるのですが、次回以降の記事でご紹介します。


発酵食品はほかにもいろいろ挑戦していて、楽しいです。味見をしたときに、その味が見えない微生物の存在を教えてくれて、「あ、生きてる!」って感じるんですね。そして「がんばれ!」と応援したくなります。
もちろんうまくいかない時もあります。食べて大丈夫かなと迷うこともあります。そういう時の見極めも、慣れていけばできるようになっていくと思います。そして、失敗かなと思ったものを少量味見したりしても、おなかをこわしたという経験もないので、そんなに神経質になる必要もないと思います。
今回は、初心者でも簡単にできる発酵食品をご紹介しましたので、是非作ってみて、さらなる発酵の世界への入り口としてください。
作ってみたとか、ここがわからないとか、自分はこんな発酵食品を作っているとか、ご意見、ご感想をコメント欄におよせください!



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